利用者ブログ「おすすめの本：芥川賞受賞世界的ベストセラー」近江デジタルキャリア草津駅前オフィス 就労継続支援ブログ 251028

おすすめの本・マンガ

私のおすすめの本は、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」です。
コンビニで働く主人公を通して、「普通」とは何かを問う作品になっています。また、2016年に芥川賞を受賞した作品で、世界的ベストセラーとなっています。

私はあまり学生時代に読書はせず過ごしてきたという反動で、成人後に一時期遅れて読書にハマる時期がありました。こちらの作品もその時に読んだ本で、とても思い入れがあります。分量もそれほど多くなく読みやすかったです。

「コンビニ人間」は、大学卒業後18年間コンビニでアルバイトを続ける36歳の古倉恵子が、物語の主人公です。恵子は子供のころから「普通」とは少し違う性格で、社会の常識に馴染めないという特徴がありました。コンビニというマニュアル化された環境に身を置くことで自分の在り方を見つけるとともに、様々な人間関係を通して「普通」とは何かを問う作品です。

世間では、恵子は発達障害なのではないかとの意見があります。私自身が発達障害と診断されているので、読んでいながら自分と照らし合わせて考えていました。誰でも少なからず恵子に共感するところがあるのではないかと思っていましたが、読んだ後に口コミを見ていると、共感できる人と共感できない人に分かれると書かれていました。私は恵子の気持ちが分かるなあと思った部分もあったので、そう思わない人もいるのだと知って驚きました。少なからず発達障害の要素はあるのだと思います。発達障害かどうかも重要ですが、生きやすくなるおまじないのような感じで、この共感する気持ちを大切にしたいと思います。

私は「普通」に憧れながら周りの人の言葉や行動を頭に叩き込んで、皆に遅れをとりながら少しは「普通」に擬態できるようになってきたところです。今でもなんで周りの人はこう思うのだろう、こんなときはどういう行動をすればいいのだろうかと悩むこともあります。でも、擬態は社会性の一種で、どんな人にも必要なものだし、ゆっくりでも覚えて、自分らしく生きていけるように頑張ろうと思います。コンビニの歯車としての役割を全うする姿や、恵子の決断を心の中で応援する気持ちを思い出しながら、自分も自分の人生の舵取りをやっていきます！

この本を初めて読んだときと比べて、年を重ねた今では改めて共感できる部分も多く、自分の人生の指標となる一冊だなと感じています。村田沙耶香さんの他の作品もまた読み返して、色んな知識や感情を集めてみようと思います。

【今回のブログ記事はODC利用者さんがライティングして下さいました】

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